自分の人的資産を計算する方法があります。
例えば現在35歳の人が定年まで30年間働くとします。その期間の予想平均年収は600万円。すると、その人の人的資産は
600万円 x 30年 = 1億8000万円
と言いたいところですが、民法では異なるようです。
自動車の自陪責保険などで、事故で亡くなった故人の遺族に支払うべき補償を計算するのにつかうのがライプニッツ係数。
ライプニッツ係数は将来(生きていたら)受取れたはずの金額を前倒しで受け取るために、得られた利益を控除するために使う指数。
上の例でいうと、「生きていたら将来受取れたはずの金額」は1億8000万円。でも、現在1億8000万円受け取れるとはならないんです。
理由は「将来受け取れたはずの金」は「今現在の金」よりも価値が低いから。
ファイナンスの考え方では、今現在の100円は将来の100円よりも価値は高い。
ということは、「生きていたら将来受取れたはずの金額」である1億8000万円を今貰おうとしたら、減らさないといけないわけです。
そのために、予想平均年収にかける係数がライプニッツ係数なんです。
ライプニッツ係数は法定利率(現在は3%)を用いて計算します。詳細はWikipedia参照。
係数の値は期間によって変わりますが、30年なら19.6。従って上の例だと、
600万円 x 19.6 = 1億1760万円
となります。
ただし。私が気になるのはこの「法定利率」です。3%と定められていますが、高すぎるような気がしますね。
例えば父親が亡くなるとして、30年間で稼げる金額が1億8000万円。そこで法定利率で割り返すことで1億1760円まで下げられるわけですが。
そこで無リスク資産である銀行預金に1億1760円放り込んでおいても1億8000万円には到底足しません。理由は預金の利率が低すぎるから。
したがって、法定利率で割り返して激減した金は利率3%以上で運用しないと、割り返された分の埋め合わせになりませんね。
↓ライプニッツ係数による人的資本の計算はこの本で分かりやすく紹介されています。
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