チャンドラです。
国債の利回りは通常、満期までの期間が長い方が金利が高くなります。
つまり通常は、長期金利の方が短期金利よりも大きいのです。そして長期金利より短期金利の方が大きくなると、景気後退の兆候だと言われています。
ではなぜ、長期金利の方が短期金利よりも大きいのか?
1年が満期の債券があって、利回りが1%だとします。この債券を100円で買うと、1年後の価値は101円になります。
ここで毎年物価が1%上がると市場が予想していると仮定します。すると債券の利回りは物価に連動して1%上がるので、利回りは2%になります。するとさらに1年後の債券の価値は101円 x 1.02=103円になります。
つまり毎年物価が1%上昇している場合、1年が満期の債券の価値は2年後に103円になります。
では次に、2年が満期の債券があって、利回りが1%だとします。この債券を100円で買うと、2年後の価値は100円 x 1.01 x 1.01=102円になります。
1年が満期の債券と2年が満期の債券を比べると、利回りが同じ1%の場合、1年が満期の債券の方が2年後の価値が高くなります。この場合、2年が満期の債券を買うと損することが分かります。だから物価が上昇すると市場が予測していると、2年が満期の債券の方が金利が高くないと、1年が満期の債券と価値が同じにならないのです。だから、
市場がインフレが起きると予想するとき、長期金利は短期金利よりも高くなる
では長期金利よりも短期金利の方が高くなる長短金利逆転は何を意味するかというと、上の考え方を適用すると、
市場がインフレが起きると予想していないとき、長期金利は短期金利よりも低くなる
と考えることができます。これはシンプルです。
市場がインフレを期待していないということは、経済が停滞すると予想していることを意味しています。
だから、長短金利逆転は景気後退の兆候とみなされるのです。
それでは。