チャンドラです。
苦しい経営状態が続く液晶大手のジャパンディスプレイ (JDI)は9/27に臨時株主総会を開きました。
金融支援先を探してたJDIに対して、出資を予定していた中国のファンドが突然、出資の取りやめを通告しました。そのためJDIは一転、事業継続が困難になったのです。
東洋経済の記事によると、経営陣に対して株主から厳しい質問が相次ぎ、総会は荒れたそうです。
「(経営陣は)役員報酬を返上すべきではないか」
「数千万損した。退職金がパーですよ」
「証券会社に勧められて、何万株も(JDI株を)持たされた。だまされたほうがバカだが、何千万も損をしている株主がいることをわかってください。(JDIの経営陣は)皆、他人事に思っている」
「経営陣は100%報酬をカットすべき」
株主が怒るのもわからないではない。ですが、この記事を見ていて思うのは、
何故、液晶メーカーに退職金をぶち込むの・・・
液晶パネル製造事業は中国・韓国・台湾などのメーカーと凄まじい価格競争に陥っています。JDIはもともと、海外メーカーとの価格競争に苦しむ日本の各電機メーカーのディスプレイ事業を政府系ファンド主導で再編してできたのです。
ライバルがひしめき、価格競争が激しい中でディスプレイの生産に特化するJDIの株が今後大きく上がるとは考えにくい。
ポートフォリオのほんの一部に入れておくのならまだしも、もし「退職金がパーですよ」の人のように本当に退職金をぶち込んだとしたら、その人は超リスクテイカーとしかいいようがありません。
いや、別にJDIに退職金ぶちこむことに異論はありません。
日本の液晶メーカーを株主として全力で応援したいのであれば。
だれも未来の株価を予測することはできません。当然、証券会社の人間もできないのです。
だから投資するならリスクを分散しないといけないのです。
リスクを分散するということは、一社に投資するのではなく、複数の会社に投資するということです。また一国ではなく、複数の国に投資する場合もあれば、株以外に債券や不動産も投資の対象とすることもあります。
こうすればたとえ一社の業績が悪化したり倒産したとしても、投資した分はパーにはなりません。他の投資先の事業が好調である限り、自分の資産は守られるのです。
年齢が上がれば上がるほどリスクを低く抑えることを心掛けなければなりません。この先働いて得る給料が少なくなるからです。
ましてや、退職して残りの人生を退職金と年金に頼って生きるにも関わらず、今後伸びそうにない会社の個別株に退職金をぶち込むのは、超ハイリスクなのです。
それでは。
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