投資で大切なことのほとんどは「ウォール街のランダム・ウォーカー」に書いてます。
私はインデックス投資を志向しているので同書への入れ込みが多少激しいのは否定できませんが、それにしても勉強になる点が多い。
再読して気になったのが「投資家の自信過剰」。
多くの行動ファイナンス学者は、企業収益の成長性の予測能力に関する自信過剰が、いわゆる成長株が過大評価される傾向をもたらしていると主張する。
画期的なコンピュータ関係の新技術や医療機器の開発、あるいは急成長する新しい小売形態が一般投資家を魅了し始めると、彼らはこれまでの成功と高成長をそのまま未来に投影し、はっきりした根拠もないのに素晴らしい未来を強く確信するようになる。そして、成長株の高い期待利益成長予想が株価収益率を押し上げるのだ。
しかし、こうしたバラ色の予想はほとんどの場合裏切られることになる。やがて一株当たり利益は減少に転じて株価収益率も大幅に下落し、惨めな結果に終わるのだ。こうした、誰もがもてはやす成長株の利益成長率の過大評価が、成長株グループの投資パフォーマンスがバリュー株グループを常に下回る傾向をもたらしていることの有力な証明になるだろう。
「自信過剰」を形成するのは「後知恵」だそうです。
(A) ある銘柄の株を買う → 株価が上がる → 自分の能力の結果だと考える。
(B) ある銘柄の株を買う → 株価が下がる → 自分の能力ではなく外的要因の結果だと考える。
仮に(A)のケースが(B)のケースよりずっと少ないとしても、(A)の(自称)成功体験の印象が強いので「自分には銘柄選定能力」がある、と思い込んでしまう。(B)は忘却の彼方へ。腐ったものには蓋。
「自分は予想できていた」と考える「後知恵」が「自信過剰」につながり、「爆上げ銘柄を予想するのは容易」に繋がるわけ。
本当に「爆上げ銘柄を予想するのは容易」なのであれば、全ての売買記録から何回的中させたか見ればいいんです。
この文章なんか傑作ですよ。私はいつも銘柄推奨ばっかりする人に対して「そんなに儲かるなら自分でやれば?」と思っていたんですが、それは間違いだとハッキリ書いてくれています。
全く価値のない投資サービスを提供している人々の多くは、自分たちのしていることが投資家のお役に立っていると思っている。フォーブズ誌の発行責任者であるスティーブ・フォーブズはこのことの本質をよくわきまえた人物で、小さい時に祖父の膝で聞いた忠告を実践している。「投資アドバイスはもらうより売る方が、はるかに儲かる。」
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