「投資にはリスクがある」という点を見逃しがちです。
「何に投資すればいいか分からないなら、とりあえずインデックスファンド」という考えは (結果的には) OKだと思います。ですが、リスクの存在を理解していなければ、元本割れしたときに「ふざけんな!」となる。
何も分かったない人ほど、人のせいにしがちです。オマエが薦めたんだろう、と。
ところで、なんでリスクの存在を忘れがちになるのかといえば、原因は2つあると思うんです。
1点目。「株価指数は長期的には右肩上がり」というのがインデックス支持者の主張ですが、それを聞いた人は「右肩上がり」というワードにだけ注目していて「長期的に」という条件にそれほど注意を払っていない。
2点目。「30年投資すればこんなに資産が増えます」というグラフの存在。例えば、下のようなグラフはネットで検索すれば大量に出てきます。これはあくまで、年平均成長率10%、価格変動なしで計算した場合であって、リスクを完全に無視した図です。複利効果の分かりやすさを強調する目的ならよいグラフですが、これだけ見ればメッチャ儲かると、ミスリードする可能性は否めません。
投資のリターン予測は確率分布をもとに行うべし、というのが私の一貫した考えです。これにもいくつかの前提条件がありますが、少なくとも「価格変動リスクを考慮しない」という致命的な落ちは防げます。S&P500のリターン確率分布は、ここでは割愛。過去記事参照。
確率分布で議論すれば、元本割れ確率を計算することができます。S&P500一括投資の元本割れ確率を計算したのが下のグラフ。
すると、
(1) 投資開始初期の元本割れ確率は高い (= 損する可能性が高い)
(2) 長期間投資すれば元本割れ確率は低い (=得する可能性が高い)
要は、投資開始初期の赤字は”高い確率で”起きうるということ。
いわば当たり前のことですが、価格変動を無視した複利効果グラフに比べれば、かなり現実に即した、良心的なグラフだと思います。
これが受け入れられないなら銀行預金でいいや、という意思決定に使えますしね。
巷にはトラップ系の記事が多いのでご注意を。というかリスクを理解せずに投資はダメだっちゃ。
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