
言うまでもないがインデックス投資はヒマです。あくびが出るほどヒマ。もう、どうしようもないほど、ヒマ。
個別株でポートフォリオを組む人は多い。市場平均を超えるリターンを狙うことが一番の目的だが、これ以外にも理由はあると思う。それは、人は「業界を調査して銘柄を選び、ポートフォリオをカスタマイズしていく」という行為に悦びを感じるからだ。
株式資産のポートフォリオ構築はポケモンのパーティー構築に似ている。あるポケモンのサイトを見ると、初心者向けにパーティー構築の基礎として次の点が挙げられている。
(1) 弱点を補完しながら組むとよい。弱点を補いあって隙のないパーティーを組むことが大事
(2) 物理と特殊を両方入れる。片方の技しか編成していないと特定のポケモンを出されるだけで詰む
(3) 強いポケモンを使用する。使用率が高く、強いと言われているポケモンは明確な役割を持っていたり、多くの役割をこなせるものが多い。
(4) とにかく対戦をして改善していく。対戦していくうちに苦手なポケモンや、あまり使わないポケモンが見えてくる。
見ていてニヤニヤしてくるぐらいだ。(1)と(2)は互いに株価が逆の相関関係にある株をポートフォリオに入れるというリスク分散を意味している。(3)は高配当な株をポートフォリオに加えること、(4)はポートフォリオの見直しに対応する、と考えればいいだろう。私が中学生だったころ、パーティーを全てミュウツーにしていた金持ちの友人がいたが、株で言えば現金を全てAmazonにぶちこむようなものだろうか。
ポートフォリオ構築はファッションと似ているとも言えるだろう。ファッションにはある程度セオリーがあるが、そのセオリーを踏襲しつつもアイテムとか色とか素材を組み合わせて個性を出す。最近は裸足に革靴を履くという奇抜なことをしてる人がいるが、株で言えば、マイクロソフトと日産の株を組み合わる、といった感じか。(ちなみに私は裸足+革靴は生理的に無理 ww)
それに比べてインデックス投資は「選択して組み合わせる」という行為が発生しない。ファッションで言えば、上下スエットといった感じだろうか。そこにはワクワク感や悦びはない。ひたすら「平均点」を求めていくという平凡さ。圧倒的な平凡さ。なんて退屈なんだろう。
それでも私はインデックス投資に焦がれる。平凡だが、そこには何か真理があると思う。インデックス投資は世を捨てた僧侶の暮らしに似ていると考えればいいのではないか。仏教の僧侶は盛者必衰の理を受け入れる。ビジネスの世界では、栄えた企業はいつかは衰退し、また新しい企業が取って代わる。栄えた企業は株式指数に採用され、衰退した企業は除外される。株式指数は盛者必衰を体現しているのだ。
私には源氏か平氏かどちらが栄えるかを当てる能力はない。だが一方で盛者必衰の理を逃れることができた人や組織を知らない。数年のスパンならともかく、長期的なスパンでこの理を逃れるものはないだろう。インデックス投資に悦びはない。だが、真理に基づいた投資法だと考えれば、世俗的な悦びを超越することができるのではなかろうか。
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