ある本で紹介されていたリチャード・ファインマンのスピーチから抜粋。(一部改訂)
あなたの貢献価値を他者が判断するための情報をすべて提供するようにしなさいということです。何らかの方向へ判断を導くような情報だけではだめです。
例えば広告と比べてみれば、この考え方がよく分るでしょう。私は昨夜、ウェッソン食用油は食品に染み込まないという広告を見ました。まあ、それは本当です。ウソではありません。でも、私が言いたいのは、単にウソではないという問題ではなく、科学的な公正さという問題です。この広告に付け足すべき事実は、一定の温度で使えば、どんな食用油も食品に染み込まないということです。そうでない温度で使ったら、どの食用油も染み込みます。つまり、この広告が伝えたのは、本当ではあるけれども暗示めいた情報であり、事実ではありません。そして、その差こそが問題なのです。
広告は相手に物を買わせるためにあるので、相手に刺さるメッセージを伝えることに重きを置きます。商品の効果を前面に打ち出すけど、効果を実現する条件はたいてい隠されます。それもそのはず、効果を得る条件が時間・コストなら、消費者は萎えて買う気がなくなるから。
投資するなら「インデックス (S&P500またはオルカン)が最適」は私も賛成。ただし、資産を大きく増やせるかは別の話。平均リターンは、年平均利回り・投資金額・投資期間に依存します。年平均利回りが(過去の実績から想定して)7%程度で固定されている以上、個人の力で制御できるのは入金力と投資期間だけです。
他の投資法に比べて効率よく (=リスクを下げると同時にリターンを上げる)リターンを出せるのがインデックス投資の利点ですが、効率よさを優先した投資家は、年平均利回り7%程度に甘んじるしかありません。だから、資産を大きく増やすためには、入金力と投資期間が条件になるのです。
だからといってインデックス投資がムダかと言えば、そうではありません。要は自分がいくら欲しいか?なんです。72の法則によれば、年平均利回り7%なら100万円を10年投資すれば200万円。10年後に+100万円で満足できるならそれでよし、足りないなら入金力上げるかもっと長く待つしかない。そういうことです。
入金力上げるの無理だし、20年とか30年なんて長すぎて待てないというなら、インデックスはやめて他をやればいいだけの話ですが、この場合、「最も効率の良い」というインデックスの利点を捨てることになります。結局、その決断も「何を優先するか?」によります。
(※)投資期間の長さはリスクによる元本割れ確率を下げる効果もありますが、そこは割愛。
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