私はよくバンガード社のレポートに目を通します。理由は単純で、良い事を書いているからです。
同社は投資家の行動に関する行動ファイナンスに関するレポートを定期的に出しているのですが、その中でも「後知恵バイアスに投資計画を邪魔させない」という記事はかなり参考になります。
後知恵バイアスとは、ある出来事が起こることは初めから分かっていた、自分は予測していた、と思いこんでしまう傾向のこと。
投資の世界で後知恵バイアスを例に挙げると、ある銘柄の株価がある日大きく下がった後に「その銘柄は過大評価されていることは分かりきったことだ。私の予想通りだ。」という発信が出ることでしょう。
こういう発信はメディアなり個人なりから必ず発信されるわけで、他人の後知恵バイアス、「そんなものに投資したって損するのは分かり切っていたことだ」という言葉に自分の投資方法を左右されてはいけない、というのがバンガードの言っていることなんです。
そこで同社は市場が低迷しても次もことを心がけろと説いています。
(1) 後悔は自然な感情だと理解しよう
(2) 後からとやかく言う人の話は無視しよう
(3) 長期的な成果に注目して信じよう
(4) 厳しい時期はやり過ごそう
(5) 専門家の助けを借りよう
ここに書いていることは私が聖書と仰いでいる「投資の大原則」に書いている金言ナンバー(5)と同じことなんですね。ちなみに「金言」とは私が勝手に定義しているだけですが ww
(1) 若いうちから貯蓄を始めて、定期的に続けること。
(2) 会社の福利厚生制度や国の退職に向けての制度を活用すること。
(3) 市場全体に対するコストの低い「インデックス・ファンド」を資産タイプごとに選ぶことで分散を図る。
(4) 自分にあった資産配分を維持するために年1回見直す。
(5) 自分の決めた投資方法を守り、市場の値上がりや値下げは気にかけない。
一点だけ補足すると、バンガードのレポートで「専門家の助けを借りましょう」という推奨があります。後知恵バイアスにとらわれて自分の戦略を信じられなくなったら、ファイナンシャル・アドバイザーに相談することも有効だと言ってるわけです。
個人的にここだけはクエスチョンです。資産運用に関して専門家の助けは必要ないと思っています。なぜなら投資の世界の賢人が、すでに名著を出版しているからです。つまり専門家に相談せずとも、名著だけ読んでおけばいいです。
だから私は後知恵バイアスに負けないためには、他人の声に耳を貸さないこと、そして名著を繰り返し読むこと、この2つを薦めます。
そして、私にとっての名著とは「投資の大原則」。そして本の内容を要約したものが上に挙げた5つの金言なんです。
インデックス投資+αならこの3冊だけ読んでおけばいいでしょう。
(1) 資産運用について知る
(2) インデックス投資について深く知る
(3) 現在ポートフォリオ理論について知る