チャンドラです。
「米FRBが政策金利を利上げ、トランプ氏の圧力に対抗」というタイトルの記事を見ました。これだけ見ても経済に疎ければ何を言っているか分かりません。
FRBは何故利上げしたのでしょうか?
何故トランプ大統領から圧力を受けるのでしょうか?
簡単に解説したいと思います。
そもそもFRBとは?
- Federal Reserve Boardの略。日本語で「連邦準備委員会」
- 米国の中央銀行制度の最高意思決定機関で、日本の日銀に相当する
- 7名の理事から構成される
FOMCとは?
- Federal Open Market Committeeの略。日本語で「連邦公開市場委員会」
- FRBが開く金融政策を決定する会合のこと
- 年に8回開催。政策金利の利上げや利下げを決定する
- FRBの理事7名と連邦準備銀行(FRB)総裁5名で構成される
フェデラル・ファンドとは?
- 米国の政策金利はこのフェデラル・ファンドを指す
- 米国の市中銀行がFRB(連邦準備銀行)に預けている無利息の預金のこと
- 米国の市中銀行は資金の一部をフェデラル・ファンドに預けることが法律で定められている。だが、資金不足から法律で定められた金額を預けられない銀行は、法定より多くの資金をフェデラル・ファンドに預けている他銀行から、余剰分の預金を借り入れられる。この余剰分を借りる際の金利がフェデラル・ファンド
政策金利を利上げするとどうなる?
FRBが政策金利を引き上げると、市中銀行は以前より高い金利でFRBから資金調達しなければならなくなります。すると市中銀行は資金調達に高い金がかかるので、企業へ資金を貸し出す際に金利を引き上げます。その結果、
- 企業は資金を借りにくくなり、経済活動が抑制される
- 物価を下げる圧力が働く
つまりFRBは米国の景気が過熱気味と判断し、物価の上昇(=インフレ)を防ぐために、政策金利を引き上げたのです。
FRBが利上げを行ったのは今年で4回目です。
https://tradingeconomics.com/united-states/interest-rate
米国の景気を過熱させているのがトランプ大統領の減税政策とインフラ投資です。これにより米国民の所得が上がり、消費意欲が旺盛になっているのです。トランプ大統領から見れば、減税して景気対策しているのにFRBは邪魔をするな、となるわけです。
以上がFRBが利上げした理由であり、FRBがトランプ大統領と対立する理由です。
2019年の利上げは?
2019年の利上げ回数は2018年の4回に比べて少ない2回に減ると予想されています。米国経済の減速が予想されている為です。
その大きな要因の一つが米中貿易戦争です。貿易戦争が解決せず米国が中国製品にさらに追加関税をかけた場合、中国製品の代わりに米国内製の製品が市場に出回ります。これは本来安く手に入るものを高い値段で買うことになるので、景気が悪化する要因となります。
まとめ
- FRBは日本の日銀に相当する
- FRBは年に8回FOMCを開催し、政策金利の利上げ利下げを決める
- FRBはインフレを防ぐために金利を上げたが、トランプ大統領は景気拡大を進めているいるので、両者は対立している
- 2019年は景気減速により利上げ回数は減ると予想される
FRBの金融政策は米国株式市場に大きく影響します。利上げが決まれば経済活動が抑制されるので株価は下がり、逆に利下げが決まれば株価は上がります。
FRBの金融政策は今後も要チェックです。
それでは。
私の現在のブログランキングはこちらです: