昨年は少し趣向を変えて金融工学に関する記事をポツポツ書き出しました。
私が投資している米国S&P500の将来のリターンを金融工学の価格変動モデルを使って予測してみたいというのが動機でした。学生時代の専門分野が工学系だったので、久しぶりに統計学の教科書を引っ張り出して式をいじくりまわしてみたのは良い経験でした。
昨年の記事の閲覧数を見ると以外にもトップになったのは金融工学系の記事でした。
レバレッジはリターンの中央値を下げる
レバレッジをかけると資産価値の対数正規分の端っこのほうが立ち上がってくる。その結果、高いリターンを得る確率が大きくなるためにリターンの平均値も大きくなる。レバレッジを高めるほど、そんな「一握りの」高リターンのためがますます平均値が引き上げる。だからレバレッジが大きいほど中央値が下がる。
現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説
この現代ポートフォリオ理論がなぜ魅力的なのかといえば、結論が恐ろしくシンプルだから。世界に何千何万という金融資産があって、それらの組み合わせも考えれば莫大な数の組み合わせのポートフォリオを組めます。
閲覧数上位にランクはされませんでしたが、個人的に気に入っているのがこの記事です。
投資はリスクより元本割れ確率で議論したほうが分かりやすい
私は「分かりにくい指標で物事を議論してもわかりにくいだけ」という思いが常々あります。リスクとリターンの組み合わせでリスク資産を評価するのは定石ですが、実はリターンよりも元本割れ確率に関心がある人が多いのでは?と考えたのがこの記事を書いたキッカケです。
元本割れ確率は時間と共に下がることが分かります。この理由は時間と共に株価の分布の高リターンを得る確率(グラフの右の裾)が立ち上がってくるために、リターンがプラスになる確率(つまり元本割れしない確率)が大きくなるためです。そして20年後の元本割れ確率は13%となることが分かります。
以上が、1年間でよく読まれた記事の紹介でした。