タイトルは忘れてしまったのですが、ある本に職人と技術者の違いは何か?が書いてありました。読んでいてなるほど!と共感した覚えがあります。
職人と技術者。どちらも特定の専門技術を長い時間をかけて磨き上げますが、職人と違って技術者は、その技術を弟子または後輩が再現できる方法を文書で残す点に大きな違いがある。
つまり技術者は「後輩はおれの背中を見て技術を学べ」という職人的発想をしていてはだめで、自分が経験で得た技術や既存の技術に対する肉付けを書き物で残すことが使命だというわけです。
製造業では機械の主要な部品の形状を決めるのに職人の高度な技術を要することがまだまだ多いと聞いたことがあります。そのような「職人の勘」に頼る業務をAIに学習させて、その職人が担当しなくても再現性を高めようという動きが出てきています。このような動きはまさに職人型の仕事のやり方から技術者型の仕事のやり方へ変えていっていると言えます。
技術者は自分の技術を書き物で残すことが重要だと書きましたが、「書く」という行為は後輩に残せるという点以外にもうひとつ重要な利点があります。それは自分が正しいやり方で仕事をしているのかという確認になるのです。
自分の仕事のやり方を「書く」という行為で言語化できるということは、何らかの手法を首尾一貫したやり方で出来ているということです。逆に言語化できていないということは、手法が首尾一貫しておらず、悪く言えばフィーリングで手法を変えていると言えます。
何も仕事に限らず投資方法についても同じことが言えると思います。例えばドルコスト平均法でインデックス・ファンドに20年間投資している人がいるとします。ところがある時に突然、原油先物を買ったりビットコインを買いだしたりする。やってることが首尾一貫していないわけです。
投資方法を変えることは悪いことではありません。例えば2020年以降は米国経済が失速しそうでこのままでは目標としていた20年後に資産1億を達成できなさそうだから、リスク資産をより高いリターンが見込めるビットコインに変える。これなら筋が通っているし、投資方法の変更理由が言語化できています。
でも、S&P500も保有しながらビットコインも買うわ不動産も買うわ、ポートフォリオの配分も適当。何故それに投資したのかを言語化できるのか?できないなら、それはフィーリングで投資してるとしか言えない。
フィーリング投資。悪いとは言いませんが私ならやらない。首尾一貫してないことをやりだすと、ポートフォリオはますますメチャクチャになっていくと思います。
まあ儲かれば何でもいいんですけどね。でもメチャクチャなポートフォリオで20年長期投資やって高いリターン出せるのかしら。
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