過去記事でWealthNaviのアルゴリズムを紹介しました。WealthNaviのアルゴリズムは現代ポートフォリオ理論に基づいています。
そのアルゴリズムをざっくりいえば、リスク・リターン平面上の効率的フロンティア曲線上でリスク許容度に応じたポートフォリオを選択しているのです。
ところで、この有効フロンティア曲線はエクセルのソルバーを使えば簡単に作成できます。
ソルバーとは、「数式の計算結果を目標値として設定して、その結果を得るために複数の制約条件を指定し任意のセルを変化させて最適値を求める」機能です。詳細は割愛します。
この機能で有効フロンティア曲線を描けるかやってみます。WealthNaviの資料をもとにソルバー機能で曲線を作成し、結果が資料の中のものと一致しているか見てみます。
まずは、資料をもとに各資産のリターン、リスク、資産間の相関係数を用意します。資料から抜粋したのが以下のデータです。
このデータをもとにソルバー機能を使って効率的フロンティア曲線を作成します。どうやるかというと、各リスクに対してリターンが最高になるときの資産クラスの割合とリターンを計算するのです。つまり、
リスク4%のとき: リターン X%, 米国株 A%, 日欧株 B%, …., 不動産 G%
リスク5%のとき: リターン Y%, 米国株 A%, 日欧株 B%, …., 不動産 G%
リスク6%のとき: リターン Z%, 米国株 A%, 日欧株 B%, …., 不動産 G%
というふうに。「各資産クラス割合の合計が100%の制約条件下でリターンの最大値と各資産クラスの割合を求める」がソルバーの設定です。
というわけで、計算した結果がこちら。
ソルバーで作成した効率的フロンティア曲線は正しいのか?WealthNaviの資料のグラフと比較してみます。
下のグラフがWealthNaviの資料に掲載されているグラフです。形はほぼ似ています。ソルバーで作成した曲線は、リスク10%に対するリターンが6.8%でした。一方でWelthNaviの資料は5.3%くらい。数%の違いがありますが、当たらずとも遠からずですね。
ソルバーでリスクに対する最大リターンを計算しましたが、資産クラスの割合ももちろん計算できます。リスク5%, 10%, 15%に対する資産クラスの割合を追加したのが下の図です。リスクが大きくなるほど株式資産、特に新興国株が増えていることが分かります。
WealthNaviはリスク許容度診断で利用者のリスク許容度を測ります。例えば診断の結果、許容できるリスクは10%だとすれば、ポートフォリオは図のように米国株: 新興国株: 不動産の割合が60%: 10%: 30%になるというわけです。(実際に比較していないが近い値になるはず。)
これは便利で色々と遊べそうです ww 私はほぼ米国株100%ですが、SPXLなどのレバレッジETFや米国債券や金を混ぜてもっと効率が高いポートフォリオを組めないか探索するのに使えそうです。
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