私が超胡散臭いと感じるのがESG投資と、ESG投資を個人投資家に推奨する記事とか書籍。
私の考えでは、ESG投資は個人の資産形成には向いていません。
「持続可能な社会に貢献」するのが目的ならまだ理解できますが、そんなのが目的で投資する人ってどれだけいるんだろうか?と考えてしまいます。(もっと言えばESGと謳われているアクティブファンドの構成銘柄が本当に持続可能な社会に貢献してんの?と突っ込みたくもなりますが、それは割愛。)
例えばこの記事。
ESG投資とは社会的責任投資の一種で、持続可能性に対する自分の考えや、社会にプラスの影響を与えたいという信念に合致する事業や企業を支援する投資形態である。ESG投資の対象となりうる取り組みは、二酸化炭素排出量の削減、地域社会への貢献、税の透明性向上など多岐にわたる。・・・
これらのハードルを乗り越える必要があるにもかかわらず、ESGファンドは従来型のファンドと同じように利益を上げている。2020年にモーニングスター(Morningstar)が行った調査によると、2019年にESGファンドのパフォーマンスは従来型ファンドを上回り、多くがS&P500にも匹敵するか上回った。
『ジャーナル・オブ・サステナブル・ファイナンス&インベストメント(Journal of Sustainable Finance & Investment)』誌に掲載された2016年の研究によると、これは「風評リスク、政治リスク、規制リスク」に対する脆弱性が少なく、その結果としてキャッシュフローの安定化と収益性向上につながったためと考えられる。
・・・うん。この論文も各セクターでESG銘柄と非ESG銘柄を比較してESG銘柄のパフォーマンスが高いと言ってるけど、期間は2年だけだよな。。。
全体で見ても、ESGファンドは道徳的・倫理的なメリットと同様に、長期的な安定性や市場リターンも魅力的であることが近年のデータに示されている。
いや、言い切れないよね、長期的な安定性って。
細かい突っ込みはあれども、私が資産運用に向いていないと思う理由は、はたして分散されてるのか疑問、という点です。
例えば記事で推奨している再エネ銘柄群、労働と人権にクリーンな銘柄群、企業統治評価が高い銘柄群、こういうのを寄せ集めて効率がよい=シャープレシオが高いポートフォリオ (PF)を組めるのか?という点。
言い換えると、「ESGのスコアリングで高得点」な企業を寄せ集めて、各銘柄の相関関係も考慮してないようなPFは、理論上最もシャープレシオが高いPFであるインデックスファンド (S&P500, 全世界株式, etc)よりも、長期投資で、本当にリターンで勝るのか?ということ。
これを示せないのであれば、環境配慮とかでなく資産運用を優先する投資家に対して、ESG投資はおススメですよ、なんて言えないと思うんです。
ちなみに元記事が最後にどうまとめているかというと、
ESG投資は、市場を通して環境、社会、企業統治に与える影響を収益性よりも重視する、持続可能型の投資手法である。
環境、社会、企業統治に与える影響を「収益性よりも重視する」
これは一番大事なポイントなので前置きで書いとくべきだと思うんです。
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ちなみに元記事ではICLNが推奨されてますが、見た瞬間「ああ・・・」と思いました ww
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