資産運用

複利効果の意味。利確して再投資したら効果は減る。

投稿日:

 

たまたま「複利効果の意味」の議論をみかけたので私の「複利効果とは何ぞや?」を算数で考えてみます。

金融庁のサイトでは複利効果を次のように説明しています。「投資には、中長期的に行っていくことで、投資資金を運用して得られた利益が更に運用されて増えていく「複利」の効果があります。」

確かにそうなのですが、「利益が更に増えていく」とは具体的にどういう意味なんでしょう。算数の方が分かりやすいと思うので数式で書いてみます。

仮に初年度にp円投資して年利r% (r=一定)で運用すると、1年後、2年後の評価額は次のようになります。(厳密にはrを100で割る必要がありますが、面倒なので割愛)

当たり前の式ですが、パッとみて「利益が更に増えていく」は分かりにくいです。そこで1年後の利益をXと書き換えて表現を変えてみます。

ここで注目すべきは、2年後評価額の第二項です。赤で囲った部分。

1年目の利益Xが(1+r)倍になっています。これが「利益が更に増えていく」だと解釈できます。

このXは「1年目の利益」と定義していますが、言い換えると「1年目の評価額から初年度投資額を引いた額」です。従って、利益を確定していなくとも、2年後には(1+r)倍に増えます。

3年後, 4年後, ・・・と投資期間を長くとると、このXにはさらに多くの(1+r)がかかって増えていきます。これが「長期間だと利益が更に増えていく」であり、「複利効果」と言えます。

仮に1年後に利確して再投資した場合、利益に税金20%かかるため不利になります。

青字の部分を見てわかる通り、第二項に0.8がかかかります。そのため複利効果は減ります。

これが「複利効果」の説明ですが、かなり理想化されたモデルである点は注意すべきです。価格変動リスクを考慮すると年利r%はあり得ません。もう少し正確に言うならば「投資期間を長くとったときの年利の平均値がr%」です。この場合、評価額も平均値になります。リスクを考慮した資産価格の分析は、金融工学チックになります。

 

参考記事:

株価はどう動くか?幾何ブラウン運動の株価変動モデルを説明します。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-資産運用

執筆者:

関連記事

2050年の世界GDPランキング予測

チャンドラです。   私はインデックス・ファンドに投資して資産を長期で運用しています。   新興国株式もポートフォリオに組み入れていますが、どれだけの割合を組み入れるべきかは悩みの …

ケインズによると「投資」と「投機」は予測する「対象」が異なる。

  世界で初めてインデックス・ファンドを設定したジョン・ボーグル氏の著書「人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」からの抜粋。 現在ではほとんど忘れ去られてしまったが、投資と投機は、昔から明 …

コロナウイルスで資産爆下がり、からの爆上がり

  新型コロナウイルスの感染拡大で株価が大きく動いていますね。今年1月から2月にかけてS&P500は大きく下がり、また大きく上がりました。アメリカ市場はウイルス感染拡大の経済的影響は …

20年後、円安か円高になるかを予測するのは時間のムダ。

  20年後、円安になるのか円高になるのか、予測できるのか?は興味深いテーマですが、山崎元先生によると、できないので考えるだけ時間の無駄のようです。 「20年後に日本円が暴落するリスクはどれ …

投資を新社会人に勧めない理由 | まず生活防衛資金を貯めよう

  チャンドラです。   私はインデックス・ファンドに投資して資産運用しています。 emaxis slim米国株式(S&P500)と全世界株式(除く日本)をメインに積み立て …

チャンドラです。

都内在住の30代サラリーマンです。このブログではインデックス投資の利点、運用成績、運用シミュレーションや金融工学の記事を公開していきます。

自己紹介は:こちら

お問い合わせは:こちら


にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ