金融工学

S&P500が「平均値」をとる確率は何%なのか?資産推移グラフに潜んだワナ。

投稿日:2021年5月7日 更新日:




 

資産運用で複利効果のグラフを見る機会は多いです。複利の効果で資産は大きく増やせるという触れ込みで。

複利の効果で資産を大きく増やせるのは間違いではありません。ただし、複利効果の紹介で見るグラフを正しく解釈しないと、あたかも損しないかのように見えてしまうわけ。

たとえば下のグラフ。これはS&P500指数を年平均リターン7%、リスク20%の幾何ブラウン運動で変動すると仮定したときのグラフ。初期投資100万円が30年間でどのように動くか、その平均値を示したもの。

幾何ブラウン運動は過去記事で紹介:

株価はどう動くか?幾何ブラウン運動の株価変動モデルを説明します。

注意すべき点なので繰り返すと、これは指数の平均値の推移。

実は平均値というのは要注意ワード。例えば上のグラフでは30年後に100万円が800万円になるわけですが、50%の確率で800万円まで増えるわけではないんです。

 

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私は単線で描いた資産推移のグラフはかなりミスリードだと思っています。確かに「平均値」の推移という意味では正しい。

でも実際の資産価格は広がりをもつんです。なぜなら資産価格はリスクをもつから。

すると資産価格は下のように描いた方が実際に近い。当たり前のことですが、資産価格は広がりをもつんです。

じゃあ、平均値ってなんぞや?要は資産価格は平均値の周りにぐにゃーと広がるように分布をもつということ。

この分布は広がるので、実は資産が平均値を超える確率は下がっていきます。

例えばS&P500の場合、1年後に資産価格が平均値を超える確率はほぼ50%ですが、30年後に資産価格が平均値を超える確率は30%まで下がります。

意外に忘れやすいんですが、平均値はそれをとる確率が50%あるわけではない、というのは覚えておいた方がいい。

じゃあ、平均値って何%なのかは、リスクやリターンの値に依存します。自分で手を動かして計算してみるのが重要なんです。

 

米国S&P500を平均リターン7%・リスク20%の幾何ブラウン運動でモデル化する理由

株価はどう動くか?幾何ブラウン運動の株価変動モデルを説明します。

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執筆者:


  1. アバター もぐら より:

    お忙しいと思いますが、是非本を出して欲しいです。
    特に、レバレッジと出口戦略についてはきちんと語られている日本の投資本はない印象なので、是非そちらもテーマにして頂ければ大変勉強になります。

    • chandra11 chandra11 より:

      お褒めの言葉ありがとうございます。
      多少マニアックな内容が多いので本を出すとかにはならないと思いますが、ブログで発信はしていきたいと思います。

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