書評

「明日を生きるための教養が身につく ハーバードのファイナンスの授業」を読んだ感想

投稿日:2019年1月3日 更新日:

 

 

チャンドラです。

 

お正月に夢中で読んだファイナンスの本を紹介します。明日を生きるための教養が身につく ハーバードのファイナンスの授業です。

本書はファイナンスの核となる考え方を難しい数式やグラフを使うことなく、文学や哲学のたとえを使って紹介してくれます。そしてファイナンスの知識を「生き方」にも応用できることを教えてくれます。著者はハーバード・ビジネススクールの教授で本書は最終講義を編集した内容となっています。

 

本書で印象に残ったポイントを3点紹介します。

 

 




 

自分と同じ考えの人に囲まれていると豊かな人生を送れない

 

旧約聖書には次の言葉があります。「7社に投資するといい。8社でもいい。先にどのような災いが訪れるかわからないからだ。」これは投資の分散化の考えです。分散化はリスクを管理の手法です。異なる値動きをする資産に分散投資することでリスクを減らし、リターンを維持することができるわけです。

著者はこの分散の考え方を人間関係に置き換えて説明しています。

人は誰しも自分と似た人たちに囲まれていたいと思うものだ。それは社会的な本能と言えるかもしれない。だが、そうではない方がいいというのが、ファイナンスの立場である。

もっとも豊かな人間関係とは、普段の経験の世界に視野を広げてくれるような人間関係だ。

 

これは職場の人間関係で言えることだと思います。同じ会社に属する人間は毎日同じ環境で同じ仕事のやり方で仕事を進めている。従って業界の景気がいい時は、各々が協調して同じ仕事の進め方を続ければよい。ところが景気が悪くなり方向転換をしなければいけないときは、うまくいかなくなる。なぜなら考え方が同じ人間が集まっているので、新しいアイディアが出にくいからです。

また、この分散の考え方は「かわいい子には旅をさせよ」と似ていると思います。若いうちに普段で会えない色々な人に会って色々な考え方を身に付けること。こうして視野を広げて色々な考えに触れることで不確実な将来の出来事に柔軟に対応できるようになるのだと思います。

 

才能以上のものをこの世界に返す義務がある

 

マタイの福音書に「タラントのたとえ」があります。神が旅に出るに当たって、3人の召使に8タラントの財産を分配した。1人目には5タラント、2人目には2タラント、そして3人目には1タラントを。神が旅から帰ったとき、2人の召使は商売でそれぞれ財産を2倍に増やしていた。ところが3人目の召使は財産を失うのを恐れて1タラントを地中に隠していたのだ。

神は怒ってその1タラントを取り上げ、1人目の召使に渡した。そしてこう言って3人目の召使を追放したのだ。「持てる者にはより多くが与えられ、持たざる者は持っているものまで取り上げられる。」

著者はこのたとえをファイナンスに結び付けています。投資家はリターンを期待して企業に投資します。その期待リターンが「資本コスト」です。企業はその期待リターン=「資本コスト」を上回る価値を生み出さなければいけない。稼げない企業(=3人目の召使)は持たざるものなので(投資した分)を取り上げられてしまいます。

 

著者はさらにこの「タラントのたとえ」を人間の才能にも広げています。

才能が平等に与えられているわけではない。そしてその贈り物には、大きな価値がある。何よりも、人は与えられた力を100%発揮しなければならない。人間はその贈り物を預かった受託者であり、それを運用する義務がある。

 

人は何かしらの才能を持っていると思います。絵をかくのが得意、数学が得意、人と仲良くなるのが得意、人をまとめるのが得意。「才能は親、または神様からの贈り物だからそれを100%発揮して世界に返す」という考えは謙虚で前向きな考えだと思います。

 

 

レバレッジを使うことを恐れない

 

レバレッジは一言でいえば借金のことです。例えば手元に1000ドルしかない場合を考える。5000ドルかかる大学教育が将来より高い収入を得るために必要だと判断すれば学資ローンを組んでお金を借りる。これがレバレッジの一例です。

レバレッジは他人の助けを得られる代わりに、他人への義理が生まれる。つまり義理を背負って広い人脈と人間関係を築けるかどうかにその人の方向性を決めることになる。

レバレッジに対する考え方は個人と企業で似ていると著者は指摘します。企業は借金を嫌がるし個人の場合も義務と責任が発生するので、どちらともレバレッジを避ける傾向にある。

それに対して著者は次のように提案します。

レバレッジを使うことを恐れないでほしい。その力を使えば、できないこともできるようになる。何よりも自分に対して高い基準を課し、それを他人に約束することで、善い人間になれるかもしれない。

正しいこともすべきことも分かっているのに、様々な言い訳をつけてそれをやらないことはよくある。運動も、禁煙も、子供ともっと多くの時間を過ごすことも。実際に人間の自制心はあてにならない。正しいことをしたければ、自分がすべきことを必ずやると他人にきちんと約束するのがいちばん効果がある。

 

確かにレバレッジには義務と責任が発生します。だが義務と責任を負うことで自分の行いを正し、自分がするべきことをする方向に向かわせてくれるのだと思います。

 

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まとめ

 

ファイナンスの世界には難しい数式や用語があふれています。本書はファイナンスの考え方を自分の生き方に適用出来ることを平易に教えてくれます。今回紹介したのはその一例です。

ファイナンスに興味のある方にお薦めします。ぜひ読んでみてください。

 

それでは。

 

 

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チャンドラです。

東京在住の30代前半会社員でエンジニアとして働いています。エリート外国人のお客さん相手に日々奮闘中。6年間で貯めた2000万円を元手にインデックス投資を始めました。

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