相手にもっと質問しろ。もっと相手の意図を探れ。
人材開発系の欧米人のオッサンと話したときに言われた言葉です。日本人はハイコンテキストな文化(みなが同じ価値観を共有する社会だから、伝える努力をしなくてもなんとなく相手に伝わる文化)だから曖昧な言葉で会話しすぎだ。外国人相手はそれじゃだめだ。相手と会話するときはもっと注意深く、もっと正確な言葉のキャッチボールをしてお互いの意図を探れ、と。
そこでふと思ったのが最近問題になっている、高齢者が金融機関の窓口でハイリスクな金融商品を買わされる問題。例えばこんな問題↓
昨年、講演の終了時、出席されたお客様から次のような相談を受けました。その方は、退職金の運用で某大手証券会社に相談に行ったところ、担当者からトルコリラ債の購入を勧められて退職金のほとんどをつぎ込んでしまい、それが大きく値下がりをしているというのです。老後の計画が大きく狂ってしまった。どうしたらいいのかというご相談でした。最終的にはご本人の意思で決定したことですから責任の全てが証券会社にあるとは申しませんが、やはりこの時も、かんぽ生命の時に感じた同じ怒りが込み上げてきたのを覚えています。
引用:投信資料館
残りの人生が短い高齢者が退職金で特定の新興国通貨建ての債券を買わせるとかヤバすぎんだろ ww と思うのですが、
クソみたいな商品を金融商品を買ってしまうのはハイコンテキストな文化に慣れてしまっているせいかもしれないな、と思うのです。
ハイコンテキストな文化、つまり多くを語らなくても相手が自分の意図を分かってくれるような環境で育った人は、証券会社のオッサンと話すときはこう考えるでしょう。
「まとまった退職金が手に入ったから運用して増やしたい。銀行は低金利で資産が増えないので、資産が増やせるおススメのファンドを知りたい。金融のプロに相談すればリターンが大きいファンドを探してくれるだろう。手数料がちょっとぐらい高くてもリターンが大きければいいよね。まあそれくらい言わなくても分かってくれるでしょ。私は客だからな ww 日本ではお客様は神様なんだ ww。おススメされたファンドはトルコリラ建債券?なんか聞いたことあるな。利回り15%!めっちゃエエやん。最近人気が出てるの?間違いないやん。それで行きますわ!兄ちゃん、ええ仕事してまっせ ww」完全なカモですね ww
自分の意図と相手の意図をハッキリさせる。これを大切にしていればクソみたいな金融商品を買わされることもないんですよ。自分の意図が退職金2000万円を80歳までに3000万円に低いリスクで増やすことなのであれば、年利3%のインデックス・ファンドで運用すればいいんですよ。自分と対話して自分の意図を確認せずに高リターンに飛びつくから爆死するんです ww
自分の意図を確認したら次はそれを実現すべく相手と対話するんです。自分の意図が年利3%で実現できることなのに、営業のオッサンがトルコリラ建て債券を薦めてきたら、自分の意図が伝わっていないということです。そこで何をするか?相手の意図を探るんですよ。「なんでトルコリラを薦めるのですか?利回り15%とありますが、それは手数料引いた値ですか?リスクはどれくらい高いのですか?リスクと利回りを裏付けるデータはありますか?なぜトルコなんでしょうか?」こうやって色々質問することで相手の隠された意図を引き出すんですよ。まあ営業のオッサンの意図は確認するまでもなく「高い手数料」と「ノルマ達成」なんですけどね ww
トルコリラはちょっと極端だとしても、「儲かるっぽい」ファンド、例えばハイテク関連企業に特化したファンドとかエネルギー関連企業に特化したファンドとか、なんでもいいんですが、なぜ相手がそれを薦めるのか、それが自分の意図とマッチしているのか、ちゃんと自分が納得してからファンドを買いましょう。これはすごくエネルギーを使うことです。でもキチンとやるべきことです。だって汗水垂らして得た大切なお金ですから。
まあここまで長々と書きましたが、私は絶対に金融機関の窓口でファンドを買いません。
だって証券屋と対話するの面倒くさいでしょう ww
それで全然問題ないんですよ。なぜなら私は自分の意図が明確で、自分の意図を実現するためにはネット証券でインデックス・ファンドを買うだけで十分だとしっかり認識しているからです。
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