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電気自動車の特徴「部品点数が少なく複雑性が低い」で日本企業の優位性は落ちるか。

投稿日:2021年3月15日 更新日:




 

ガソリン車と電気自動車の比較を紹介した記事からの抜粋

私は自動車業界の人間ではないのですが、モノが製作されていく工程には多少通じていることもあり記事を読んでいたのですが、これはなかなか核心をついていると思っています。

ガソリン車:部品が多くて複雑

電気自動車:部品が少なくて単純

「ガソリン車の構造と、EVの構造には、大きな違いがあるのです」  とは、早稲田大学大学院の長内厚教授(経営学)だ。

従来のガソリン自動車の場合、部品と部品が相互に影響し合い、互いに調整しながら、ひとつの機能を成り立たせている。これをインテグラル型のアーキテクチャと呼びます。その巧みな調整に必要なノウハウは、言葉や数値で表せないような職人技やノウハウであり、容易に真似はできない。だからこそ、例えばトヨタはその技能を伝承するために、ものすごくしっかりと教育、研修を行うわけです。それが日本の企業文化とマッチし、そのまま“強み”となっていました」

他方、電気モーターをソフトウェアで制御するEVは、 「部品点数が減り、複雑性が低い。その上、部品と部品が独立し、相互の作用も少ない。これをモジュール型のアーキテクチャと呼びます。比較して組み立てが単純なため、極端に言えば、自動車メーカーでなくても、車が作れるようになってしまうのです」

そのため、ガソリン車の製造工程で失われた雇用を、EVの工程が吸収する、ということにもなりにくい。 「同時に日本企業の“強み”も発揮しにくくなる。かつて世界のトップを走っていた日本の電機メーカーが凋落して久しいですが、これも原因は、エレクトロニクス製品が急速にモジュール化し、インテグラルの強みを活かせなくなったから。EV化を急速に進めれば、同じ轍を踏むことになってしまうのではないでしょうか」(同)

 

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ガソリン車:部品が多くて複雑

電気自動車:部品が少なくて単純

モノづくりにおいて部品数の多さと複雑さは生産工程に大きく影響を与えます。ざっくりいえば部品数が1万点あってそれら全ての使用がお互いに影響を与えるとします。仕様が影響を与えるとは例えば部品Aのサイズを大きくした結果、部品Bのサイズも大きくなり、電気部品Cの出力容量を変え、さらに部品Dの取り付け位置を変更し・・・という感じです。

つまり、1万個の部品の仕様をそれぞれ独立に決定するわけではなく、各々の仕様がその他の部品の仕様の決定に影響するわけです。極端な話、1万個中1個の部品の仕様が他の9,999個に影響するなら、1個仕様を変えるたびに残りの9,999個への影響について考える必要がある。

仕様に限らず、部品数が多ければ多いほど調達先は増えるし、調達先の管理も必要だし、検査も増えるし、納期交渉も増える。とにかくいぇるべきことが増えるんです。

私の経験からいうと、「部品が多くて複雑」は日本人の得意分野だと思っています。なぜなら日本人の特性(または企業文化)として、ハードワーク、チームワークが得意、細かい部分に目が届く、業務所掌が曖昧だからです。

部品が多くて複雑だと、業務量は増えるし他の技術者との折衝も増えるし、誰が解決すべきかグレーな分野も増えてくるからです。上に挙げた特性でこれらはクリアできる。

一方で欧米人の場合、各人の業務所掌がしっかり決まっているので、グレーな部分を積極的に解決するモチベーションが湧かない。自分のことだけしっかりやっておけばいいわけで、自分が担当する部品1個の仕様が変われば残り9,999の変更は各人でよろしく!という感じになりやすい。

 

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上で言っていることと逆に聞こえるかもしれませんが、「部品が多くて複雑」なもの(または事業)をどのように効率的に生産(または遂行)していくかは、実は欧米企業の方が先に手法を研究してきました。例えばアポロ計画。複雑なスペースシャトルをどのようにミスなく製作し、どのような手順で人を宇宙に送って無事に地球に帰すか?複雑なものをどのように取り扱うかの体系が出来上がっていったのです。

アポロ計画に代表されるように、欧米人は体系的に仕事を進めるのが得意。何をやるにしてもまずは事業概要書の作成から始めて、組織表、手順書、会議の方法、報告ルート、Responsibility Matrix、リスク管理、プログレス管理、変更管理・・・とたくさんの図書を用意してから仕事を始める。これはこれで素晴らしいんですが、実は突発的な事態や図書に書いていない内容にぶち当たると実は弱い

これに比べると日本人は仕事のやり方がカッチリ決まっていないので、悪く言えば曖昧、よく言えばフレキシブル。だから複雑な物事が起きると、関係しそうな人たちが集まって(非効率的かもしれないが)あれこれ協議して解決していく。

だからガソリン車のように複雑であればあるほど、欧米人が確立してきた体系的な管理手法でも解決できないほど複雑なほど、それほど体系的ではないが皆で問題を潰していける日本人の強みが発揮できる。こう思っています。

ところが、電気自動車は部品点数が少なく部品間の相互作用も少ない。欧米で発達した体系的な管理手法で十分対応できるレベルまで複雑さが落とされているのであれば、記事に書いてある通り、日本企業の強みが発揮しにくくなるのは間違いないと思います。

 

 

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