金融工学

過去35年のアセットクラスでは米国株が最も優秀。リターン・シャープレシオ・元本割れ確率で分析。

投稿日:2020年12月18日 更新日:




 

前回の記事の続きです。過去35年のアセットクラスのリスク・リターンを分析した結果、上位3つの最適アセットクラスは新興国株、米国大型株、米国小型株、のでした。

「最適」の定義はリターンとシャープレシオを図上でプロットした際に、原点からの距離が最も大きい点だと仮定しました。この「距離」が大きいほどリターンとシャープレシオが最も大きくなるからです。下に結果を再掲します。

ところで、私は常日頃からリスクやリターン、シャープレシオに加えて元本割れ確率が重要な指標だと繰り返し言っています。理由は簡単で、人間というのは大きな利益を得るよりは損失回避を重視する傾向にあるからです。

ではアセットクラスの比較に元本割れ確率を指標として加えるとどうなるか?元本割れ確率はリスクとリターンから計算できます。

 

Sponsored Link



 

一括投資した場合の元本割れ確率を加えたのが下の表です。元本割れ確率は投資期間で変わるので、10年おきの値を加えました。

元本割れ確率が低いのはやはり債券です。リスクが低いから当然でしょう。ところが面白いことに、債券の次に元本割れ確率が低いのは米国大型株なんです。

リスクは16.1%もあるのですが、リターンも9.6%とかなり高い。だから元本割れ確率がかなり低くでるんです。

 

Sponsored Link



 

前回の記事同様に「距離」が大きい上位3アセットの元本割れ確率を比べてみると、米国大型株、米国小型株、新興国株、の順に低いことが分かります。

米国大型と小型の差は僅差ですが、新興国株の元本割確率は比較的大きく出ています。これはリスクが大きいことに起因しています。

米国株の元本割れ確率が他のアセットに比べてこんなに小さくなる、しかも30年投資すれば債券とほとんど変わらないレベルなのは驚きでした。

米国株の優秀さを再認識したスタディ結果でした。

 

関連記事:

過去35年のアセットクラスでは新興国株と米国株が優秀。

「損失回避の法則」に従えば投資はリスクより元本割れ確率で議論した方が分かりやすい

 

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

株価はどう動くか?幾何ブラウン運動の株価変動モデルを説明します。

  株価はランダムな動きをすると仮定して構築されたのが現代ポートフォリオ理論。難しそうな微分積分の式を見れば怖気づきますがミソだけ押さえれば理解するのはさほど難しくありません。 株価が「ある …

【意外】合理的な投資家はリターンを高めるためにレバレッジをかける。現代ポートフォリオ理論の観点から。

  過去記事で解説したように、投資家のポートフォリオはリスク・リターン平面上で、無リスク資産と接点ポートフォリオを結んだ線上にあります。 接線のうち、無リスク資産と接点ポートフォリオの間のポ …

暴落はいつでも起きうる。「売りが売りを呼ぶ」プロセスは2つ。

  金融工学ではリスクとリターンが分かれば将来のトータルリターンの分布や元本割れ確率などを計算することができます。だから金融工学で使用する株価変動モデルは将来の株価を予想するうえで「実務的に …

エクセルのソルバーで効率的フロンティア曲線を作成しよう。最適なアセットロケーションの決定。

  過去記事でWealthNaviのアルゴリズムを紹介しました。WealthNaviのアルゴリズムは現代ポートフォリオ理論に基づいています。 そのアルゴリズムをざっくりいえば、リスク・リター …

DNA複製メカニズムと株価変動モデルは「保存」と「変革」がある点で似ている。

  人類の歴史で最も重要な発見だと私が思うのが生物の遺伝情報伝達のメカニズムです。 遺伝情報とは親から子に伝わる情報。この遺伝情報はDNAの塩基配列として保存されていますが、この遺伝情報がど …


チャンドラです。

都内在住の30代前半サラリーマンです。このブログではインデックス投資の利点、運用成績、運用シミュレーションや金融工学の記事を公開していきます。

メディアインタビュー記事:こちら

投資運用成績は:こちら

投資を始めた理由は:こちら

お問い合わせは:こちら


にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ