破壊的イノベーションへのテーマ型投資に特化しているのが米国のARK Investment Management社。
代表的なETFはARKKですが、そのパフォーマンスは下の通り凄まじいです。2017年以降にSPX (S&P500に連動インデックス)をアウトパフォームした後、コロナ禍でさらに大きく差をつけました。
引用: ARK
ARKKのようなアクティブファンドが注目されているとは聞いていたんですが、今更投資するのは遅いだろし、マニアックな会社を色々と寄せ集めただけじゃね?と勝手に思っていたんです。でもちょっと間違いだったようです。
テスラ以外の構成銘柄はここにリストしているので割愛するとして、驚いたのがかなりしっかりと分散投資されている点です。このレポートに詳しく書いています。
ARKでは、著しい成長と分散効果をもたらすとみられる5つの主要イノベーション・プラットフォームと14のトランスフォーマティブ・テクノロジー(変化を促す技術)を特定しています。・・・
革新的技術やその関連銘柄はボラティリティやリスクが高いと見ている投資家が多いものの、それぞれが独自の動きを示す傾向にあり、合わさると十分な分散効果をもたらしてリスクを最小化しボラティリティを低下させることができると考えています。
例えば、DNAシーケンシングなどの技術に関連する「専業」銘柄は、協働ロボットやブロックチェーン技術に関連する銘柄との相関性がかなり低水準です。実際、図表4および5によると、破壊的技術の間の相関性は、S&P500指数のセクター間の相関性よりも低い場合があります。・・・
図表5では、トランスフォーマティブ・テクノロジーの14分野を再現するものとして、それぞれの分野に対応する代表的な個別銘柄(ARKが選択)を用いています。S&P指数のセクター間の相関係数の平均値は0.55で、破壊的技術14分野の場合の0.22を2倍超上回っています。
つまり、ARKKは革新的な技術を銘柄を集めているとはいえ、それを14の分野に分類していて、なおかつ分野同士の相関が小さいのでキッチリ分散できている、ということです。
そして、その相関係数の平均 (0.22)はS&P500のセクター間の相関係数の平均 (0.55)に比べて低いんです。う~ん、面白いですね。
私はインデックス投資派でアクティブ・ファンドは買ったことがないんですが、このARKKは夢があって面白いです。単なる新興企業の寄せ集めではなくてキッチリ分散を効かしている点が素晴らしいと思いました。
知っている銘柄はテスラ以外だと、ゲノム編集技術をもつCRISPR Therapeuticsでしょうか。数年前にブルーバックスの「ゲノム編集とはなにか」を読んで衝撃を受けました。
2020年に米国のダウドナとフランスのシャルパンティエはゲノム編集技術開発でノーベル化学賞を受賞しましたね。CRISPR Therapeuticsはシャルパンティエが設立したベンチャーなんですね~。
う~ん、夢があっていいですよ、ARKK。でもちょっと上がり過ぎてる気がします。米国市場に調整入って暴落したら100万円分くらい買ってみたいです。現金貯めておくか ww
参考:
「ゲノム編集とはなにか」はゲノム編集技術 (CRISPR-Cas9)が分かる本。DNAの塩基配列の一部を狙って書き換えるなんて、とんでもない技術だと思いましたよ。私がブルーバックスの中でも最高傑作だと思っているワトソンの「DNA」と合わせて読むことをおススメします。
DNA(上) (ブルーバックス) [ ジェームス.D・ワトソン ]
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