チャンドラです。
4月、5月、6月に残業すると損すると言われています。理由は社会保険料が増えるからです。
4月~6月の給料をもとに、その年の9月から翌年8月の社会保険料が決まるのです。
それでは4月~6月に残業するとどれだけ損するのか?検証してみました。
私の給与をモデルに計算してみます。
本給+住宅補助金:432,500 円
残業手当(45時間):135,072 円
一時間当たりの残業代:3,002 円
社会保険料の計算
社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)がどのように決まるかをおさらいします。
社会保険料は健康保険・厚生年金保険の保険料額表から計算できます。
出典:全国健康保険協会
まず、自分の4月、5月、6月の平均給与が「報酬月額」のどのレンジに入るかを調べます。私の場合は次の通りです。
3か月全く残業しない場合:432,500 円
3か月フルで残業する場合:567,572 円
「報酬月額」のどのレンジに入るかを調べた後、それがどの「等級」と「標準報酬」に該当するかを調べます。
3か月全く残業しない場合:等級 28 標準報酬 440,000 円
3か月フルで残業する場合:等級 32 標準報酬 560,000 円
これから健康保険料と厚生年金保険料が計算できます。
3か月全く残業しない場合:
健康保険料 21,846 円 厚生年金保険料 40,260 円
3か月フルで残業する場合:
健康保険料 27,804 円 厚生年金保険料 51,240 円
保険料はどれぐらい上がるか?
健康保険料と厚生年金保険料を計算しました。
結局、保険料はどれだけ上がるかというと、
3か月全く残業しない場合:62,106 円
3か月フルで残業する場合:79,044 円
上がった保険料:16,938円
4月~6月にフルで残業した場合、得られる残業代は40,5216円です。
この場合、9月から翌年8月の保険料はひと月当たり16,938円上がることが分かったので、1年間だと203,256円上がることが分かりました。
結局、得られる残業代から上がる保険料を引くと、残るのは201,960円だと分かりました。
つまり4月~6月にフルで残業することで得られる利益は201,960円です。
残業時間に対して手取りがどれだけ変わるか?
ここまでは、4月~6月の間で全く残業しない場合とフルで残業した場合の両極端の場合を考えました。
次はひと月当たりの残業時間に対して手取りがどれだけ変わるかを考えてみます。
下のグラフは4月~6月のひと月当たり残業時間に対する手取りの変化を示したものです。手取りとは「4月~6月の3か月に得る残業代から、1年分の保険料増加分を引いた金額」です。
グラフの形がカクカクしていることが分かります。これは残業時間が変わることにより「標準報酬」の等級も変わるためです。
例えば各月の残業時間が37時間の場合、手取りは18万円増えますが、38時間に増えると手取りは14万円に下がります。これは残業時間が37時間から38時間に増えるタイミングで等級が31から32に変わるためです。
私の場合、残業手当が支払われる45時間残業しても、そこで等級が切り替わりません。つまりマックスまで残業すれば実際の手取りを最大化できることが分かりました。
まとめ
4月~6月に残業するとどれだけ損するのかを検証してみました。
その結果、保険料が決まる「標準報酬」の等級がちょうど切り替わる残業時間だけ残業すると、手取りが減るので損することが分かりました。(上のグラフの場合、38時間残業すると37時間残業するのに比べて4万円損する)
働くほど手取りが減る、という状況ほどアホらしいことはありません。残業が避けられない場合、4月~6月の残業で損しないか、ちゃんとシミュレーションして計画的に残業したほうがいいです。
それでは。
私のブログランキングはこちら: