アマゾンの現在を知るには良書です。
アマゾンの規模の大きさは下の引用を見れば明らかでしょう。
2017年のホリデーシーズンには、オンラインで買い物をする米国人の4分の3が、その購入の大部分をアマゾンで行うつもりだと答えている。・・
米国の世帯のうち、教会に通っているのは51%なのに対して、アマゾン・プライムに加入しているのは52%というのも納得できるだろう。・・
アマゾンは米国における全世帯の支出の2.1%、年間収入が6万3000ドルの米国家庭の場合で言えば、約1320ドルを吸い上げているのだ。・・
世論調査によると、トイレに行っている間、仕事中、渋滞中、酔っているときに、オンラインショッピングをしたことがあるという結果が出ている。・・・
アマゾンがサイトやアレクサから顧客のデータを大量に吸い上げ、顧客が好む商品を薦めることで、顧客がもっとアマゾンで買い物をするように技術を磨いていくプロセスがよく分かります。
ワンクリック購入ボタンはフェイスブックなどで「いいね!」を得るのと似た反応を引き起こすことが分かっているそうです。このあたりからもアマゾンが、心理的なアプローチで顧客満足感を与えていることが分かります。
帯には、「コロナ後は、アマゾンが支配する大部分と、小さな領域をミニ・アマゾンたちが奪い合う過酷な世界」と書かれていますが、アマゾンが小売業界を支配しつつある現状を見ると誇張ではないような気もします。
小売業者がアマゾンに支配されないためには、「店とは何か?」と問い直すことが必要だと本書は説きます。アマゾンで買えるものを店先に並べて売るだけなら、消費者は家でコーヒー飲みながらワンクリックボタン押して配達を待てばいいわけで、アマゾン以外で買う理由はない。
アマゾンと差別化する方法の一つが顧客体験。たとえばナイキはスニーカーをカスタマイズできるようにしたり、スマホのアプリで商品を予約し、店のロッカーに保管したスニーカーを試着したり受け取ったりできる。会員になれば限定品の購入・スタイリングの相談やマラソン用シューズの相談ができる。
アマゾン以外の企業がアマゾンに支配されないためには、顧客にアマゾン以外で買うことのメリットを与えなければ生き残れない時代が来ている、そんな時代が来ている。
アマゾンは金融や医療の領域にも進出する兆しがでています。「自分たちにできてアマゾンにできないものは何か?」を様々な業界が考えざるを得ない時代が来るかも。。。すごい時代になりましたね。。。
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