前回の続き:
は?長期的に見れば株式指数は右肩上がりなんだからレバレッジかけた方がいいだろ?
はい、これは尤もらしい主張です。だからといってレバレッジかけりゃいい、とは私は思いません。
何故か?S&P500に関しているとリスクと平均リターンはそれぞれ20%と7%。これに3倍レバレッジをかけると平均値は上がるが同時に中央値が下がるからです。
「平均値が上がって中央値が下がる」とはどういうことなのか?長期的には高リターンを得る確率が下がるということなんです。感覚とは反しますが。
じゃあ、高リターンの確率はどれくらい下がるのか?
今は言えましぇ~ん ww 別の記事で紹介しますから ww
S&P500(リスク20%・リターン7%)にレバレッジをかけて10年間運用するとどうなるか?リターンの確率分布は次の通り。
L=1はレバレッジなし。L=2は2倍。L=3は3倍です。レバレッジをかけるほど高リターンを得る確率が高く見えます。
ただし注意すべきは累積確率分布なんです。つまりカーブの下の面積部分に着目すべきなんです。
例えばカーブのしたでリターンが1倍より小さい部分の面積は元本割れ確率を意味します。一方でリターンが3倍より大きい部分の面積がリターンが3倍を超える確率。
元本割れ確率と3倍超え確率を計算したのがこちら。
10年間レバレッジ3倍かけると:
元本割れ確率は45%でトップ。
リターンが3倍を超える確率はリターン2倍よりも劣る。
意外ですね。せっかく3倍レバレッジかけたのに元本割れ確率は激増してます。なんでこんなことが起きるのか?
それは10年もレバレッジかけてるからなんです。レバレッジかける期間が長ければ長いほど中央値は下がると過去記事で書きましたが、まさにこれと関係があります。
期間が長期間ならリスク取って高レバレッジかけても元本割れ確率が上がるだけというギャグみたいなことが起きる。
ここでは3倍を超える確率を計算しましたが、4倍を超える確率、5倍、6倍、とリターンの敷居を上げていけばもちろん3倍レバレッジが優ります。でも同時にその確率も下がっていきます。
例えば10倍を超える確率が5%しかないとして、元本割れ確率高いのにそのわずか5%に賭けるのが果たして自分のリスク許容度に合っているのか?ってこと。
だから僕はレバレッジをかけましぇ~ん、なんです。
では短期間なら?
それは・・・ありかもな ww
じゃあ短期間レバレッジかけたときどうなるかを別記事で紹介します。
株価変動モデルの計算は教科書に書いていますから ww たとえばコレ。
金融工学入門 第2版 [ デーヴィド・G.ルーエンバーガー ]
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色が不統一のため、情報が読み取りづらいです。
レバレッジに対する結果の差を説明したいのであれば、
レバレッジ=1,2,3について色を定め、全グラフに対してその色を用いましょう。
基準となるレバレッジ=1を黒色とし、注目させたいハイレバを赤系統がにするのが良いかと。
それと最初の図は縦軸に数値が必要だと思いますし、
L=1のほうが原本割れ確率が高いように読み取れたのですが、どう解釈するのが正しいですか?
ご指摘ありがとうございます。
>レバレッジ=1,2,3について色を定め、全グラフに対してその色を用いましょう。
修正いたしました。
>それと最初の図は縦軸に数値が必要だと思いますし、
修正いたしました。
>L=1のほうが原本割れ確率が高いように読み取れたのですが、どう解釈するのが正しいですか?
グラフに間違いがあったので修正いたしました。
修正お疲れ様でした。
数学的な理論はお分かりの方だと思いまして、訴求力についてのみお願いをいたしました。
ためになる記事をありがとうございました。
>レバレッジをかけるほど高リターンを得る確率が高く見えます。
最初の図では、レバレッジを上げると高リターンを得る確率が低く見えてしまいます。
L=3のカーブがL=1のそれを上回る地点が横軸中央付近になるようにすると、
あなたの意図が視認できると思います。
>リスク取って高レバレッジかけても元本割れ確率が上がるだけというギャグみたいなことが起きる。
日常生活における直観に基づくと、確率統計については色々と誤認しますよね。
さらに投資は加算ではなく乗算の事象であるため、ますます誤認を大きくしますよね。
ご指摘ありがとうございました。グラフを見やすく改良できたと感じています。
>最初の図では、レバレッジを上げると高リターンを得る確率が低く見えてしまいます。
L=3のカーブがL=1のそれを上回る地点が横軸中央付近になるようにすると、あなたの意図が視認できると思います。
グラフそのものとグラフの解釈を一致させるような更なる工夫が必要ですね。今後のグラフづくりの参考にします。
>日常生活における直観に基づくと、確率統計については色々と誤認しますよね。
さらに投資は加算ではなく乗算の事象であるため、ますます誤認を大きくしますよね。
私もそう思います。レバレッジに限らず「直観に基づくと誤認がおきる」ようなことを記事で紹介していきたいと思います。