チャンドラです。
IT、AI、ロボットの急速な普及によって、経済活動の生産性が大幅に高まると予想されています。
これらのイノベーション(技術革新)によって世界経済はますます成長を遂げる、と思いきや。
中原圭介氏の「日本の国難」によると、イノベーションは雇用を奪い、人々の所得格差がますます広がることが指摘されています。
アメリカの株式時価総額でトップ3をほこるのは、アップル、アルファベット、マイクロソフトですが、
この3者の時価総額合計は約251兆円と巨額であったのに、従業員数は合わせてたったの33万人程度しかいなかったのです。
日本のトップであるトヨタの株式時価総額が約24兆円、従業員数が36万人程度であったことを考えると、
イノベーションによっていくら利益が膨らみ株価が上がったとしても、
労働者全体には広く行きわたっていないという実業が浮き彫りになります。
第二次産業革命では自動車、航空機、電気が普及することによって世界経済は目覚ましく成長しました。
自動車や航空機を生産するには巨大な設備と労働力が必要でした。
そして巨大設備は順次更新していく必要がありました。
そのため、20世紀のイノベーションは大量の雇用を生み出し、労働者の賃金が上昇し、人々は豊かになっていきました。
ところが、21世紀のイノベーション(IT、AI、ロボット)は生産性を極限まで追求する技術です。
つまり、より少ない人数でより少ないコストで、高付加価値の製品やサービスを生み出すという技術です。
グーグルやフェイスブックなどの巨大IT企業は莫大な利益を生み出す一方で、雇用を生み出す要素が少ないのです。
そしてこの利益にあずかることができるのは、巨大な設備を必要とする伝統的な製造業ではなく、巨大IT企業の創業者、少数の従業員、そして株主です。
「AIやフィンテックなどの先端技術が人々の暮らしを変える」という言葉は、心地よく響きます。
ですが、一部のIT企業を除いた他の伝統的な産業で働いている人にとっては手放しで喜べません。
最近のメガバンクの人員削減のニュースはこれをよく示しています。
勝ち組IT企業で稼ぐ人々と、伝統的な製造業で働く人々の所得格差は今後ますます広がっていくでしょう。
ほとんどの伝統的な製造業が、巨大IT企業と同等の時価総額や利益を叩き出すのはもはや不可能だからです。
勝ち組IT企業の莫大な利益にあずかるには、やはりこれらの企業に少しでも投資してインカムゲインやキャピタルゲインを得るしか方法はないと思います。
それでは。
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