チャンドラです。
三田紀房氏の「徹夜しないで人の2倍仕事をする技術」を読みました。Kindle Unlimitedで無料、80ページでサッと読める本です。
著者は「ドラゴン桜」などで有名な漫画家です。本書は、超多忙な著者が仕事をこなすために心掛けているテクニックを紹介しています。
著者とは業種が全く違う技術系の私ですが、読んでいて「ああ、そうだよね」と思う部分がたくさんありました。
参考になった部分を、私の経験も交えて紹介します。
「個人の頑張り」に成果をゆだねている限り、パフォーマンスは上がらない。
組織のパフォーマンスを上げたいなら、やはり決まりを作って社員の行動を変える「仕組み化」が欠かせないのである。
著者は、残業続きのアシスタントの不健康な生活を改善するために、「徹夜しない」ルールを採用しました。その結果、アシスタントが規則正しい生活を送るようになり、結果的に仕事が効率化したそうです。
重要なポイントは「仕組み作り」です。最初に「仕組みづくり」をちゃんと行うかで、その後の作業者のパフォーマンスが決まります。
私の場合、10人程度のエンジニアを率いて設計業務を行っています。エンジニアの成果物は設計書です。各メンバーが期限通りに品質要求を満たした設計書を作成できるように、仕組み作りするのがリーダーの仕事です。仕組みとは、メンバーの所掌を決めるとか、成果物をチェックする方法とか、顧客の変更要求をメンバーに伝える方法とか、作業が一定の人に集中しないスケジュールの組み方とか、です。そして、仕組みをつくれば各メンバーが何をいつまでにすればいいのかが明確になります。
私の経験上、この「仕組みづくり」を初期にキチンとやっていないか、状況に応じて仕組みを変えていないと、必ずトラブルが起きます。情報伝達が遅れることによる品質低下やスケジュール遅延です。
仕組みはメンバーのパフォーマンスに大きく影響します。だからこそリーダーは仕組みを作り、それをメンバーに理解させる能力が必要だと思います。
読者のニーズとは関係のない「単なる自己満足」のために複雑な手法に手を出して、時間をかけるのはムダなことだ。
自信の持てないことには、最初から手を出さない、迷う要因になりそうなことを排除する。
設計業務をしていると、コストダウンの検討をすることがあります。もっと安い材料を使うとか、もっと安いところから材料を調達できないかとか、安い設計拠点に外注できないかとか、です。
もちろん「検討」する時間は限られているし、「検討」するだけではなんの成果物も生み出しません。私は出来るだけ「検討」に時間はをかけないように心がけています。
色々な選択肢を出して検討すると、各選択肢の長所・短所をまとめるのに時間がかかります。加えてそれらを調査するのに人の意見を聞く必要が出てきますが、多くの人に意見を聞けば聞くほど、余計に迷うからです。なぜなら実担当者ではない人は、好き放題言うのが人間の性なので。
検討は大切です。でも決定に迷うほど選択肢を出して時間をかけるべきではありません。それは著者の言う通りただの自己満足です。検討する際は、おそらく選択されるであろう選択肢だけに絞って、他の怪しい候補は全て初めから切り捨てるなどのメリハリをつけることが大切だと思います。
スポーツや芸術、どんな分野でも、最初は先人が培ってきた技術や知恵をマネすることから始まる。自分一人で独自の方法を追求するより、その方が早いからだ。
まずは型通りやってみる。そうすれば個性は後からついてくる。
要するに、早く結果を出すことが大事なんだ。
芸術とか文学に比べると、理系人間の設計業務には個性なんか必要なのか?と思っていましたが、実は個性を発揮できる場面があります。それは「交渉するとき」です。
交渉の下手な人は顧客に対して、顧客の要望をダラダラ聞くだけです。一方で交渉の上手い人は、自分の提案が受け入れられるように色々と工夫します。その案が何故メリットがあるか、どのような検討をしたのか、他の案が何故だめなのか。これらを見やすい資料にまとめて説明します。
この「工夫」こそがまさに個性が出る部分だと思います。人によっては、会議の初めに冗談をとばして和やかな雰囲気にしたり、「ここぞ」というときは強気に出たり、実は他の案の方が優れているけど顧客に悟られないように上手く話をもっていったり。
私もまだまだ交渉が上手いとは言えないのですが、「この人は交渉が上手い」と思った人から型を学びました。昔の上司と顧客です。二人とも超強引な人間でしたが、資料の見せ方とか、上の人間の力を使うのが抜群にうまい人たちでした。
今では二人のテクニックを実践しつつ、自分なりのやり方も付け加えたスタイルを模索中です。ただ、早い時期から交渉上手な人を見つけて真似たことで、早い段階で基礎を身に付けて、早い時期から顧客交渉の場に立つことが出来たと思っています。
以上、「徹夜しないで人の2倍仕事をする技術」で参考になった点を、私の経験も交えて紹介しました。
参考になれば幸いです。
それでは。
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